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地域・市民価値の高い豊かな暮らしの創造を目指して

地域課題を最先端の技術を使って実施する「まるごと未来都市」であるスーパーシティやスマートシティの取り組みが進む中、私たちは、「T」のライフスタイルデータを広く社会にオープンにし、地域や市民の価値を高め豊かな暮らしを創造していくことを目指して、オプトイン方式で官民データ連携をしていく会津若松スーパーシティ構想に参画します。これからも会津若松をはじめとした多くの地域のみなさまと共に、真に地域共生につながるような日本のモデルケースを作っていくことで、日本の「Society5.0」の達成に向けて貢献してまいります。

官民データ連携による
市民中心のスーパーシティ構想とは

「UNIQUE DATA, SMALL HAPPY.」をミッションに掲げ、多種多様なデータを価値ある情報に磨きあげ、さまざまな社会課題に向き合い共創しながら解決に向けて取り組んでいるCCCマーケティングの北村と、市民中心・産官学連携のスマートシティとしてオプトインが徹底された地方創生のモデルを作るべく会津で活動を続けてきたアクセンチュア・イノベーションセンター福島 センター共同統括 マネジング・ディレクターの中村彰二朗氏が、スーパーシティ会津若松にかける想い、また官民データ連携とオプトインの重要性や、スーパーシティ会津若松で実現される世界観についてお伝えいたします。

対談:書き起こしをよむ
北村和彦(CCCマーケティング株式会社 代表取締役社長)
1986年、前職の社内ベンチャー第一号として起業し、当時のOne to Oneマーケティングの先駆けとしてネットを活用したサービスを実施。’04年、CCCグループに入社。Tポイント事業の立ち上げから、今では7,000万人にまで拡大したCCCの根幹となるデータベースマーケティングに従事してきた。カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社取締役副社長を経て、現在はCCCマーケティング株式会社 代表取締役社長。
中村彰二朗(アクセンチュア・イノベーションセンター福島 センター共同統括 マネジング・ディレクター)
2011年、福島県の復興に向けて設⽴した福島イノベーションセンターのセンター⻑に就任。以後、震災復興および地⽅創⽣実現のため、⾸都圏⼀極集中から機能分散配置を提唱、会津若松市をデジタルトランスフォーメーション実証の場と位置づけ先端企業集積を実現。そして、会津で実証したモデルを地域主導型スマートシティプラットフォーム(都市OS)として他地域へ展開、各地の地⽅創⽣プロジェクトに取り組んでいる。

データがつくる未来の新しい都市とは

会津若松スーパーシティ構想で都市空間デザインアドバイザーを務めるスペースコンポーザーの谷川じゅんじ氏と、「NEW NEIGHBORHOOD 都市の未来とネイバーフッド」を特集テーマとした最新号を2021年6月に上梓された『WIRED』日本版 編集長の松島倫明氏が、データやテクノロジーをもとに、一人ひとりが幸せを感じることができる新しい都市、そして人々と地域の豊かな暮らしの実現の可能性についてお伝えします。

対談:書き起こしをよむ
谷川じゅんじ(JTQ株式会社 代表 / 会津若松スーパーシティ構想 都市空間デザインアドバイザー)
2002年、空間クリエイティブカンパニー・ JTQを設立。“空間をメディアにしたメッセージの伝達”をテーマに、さまざまな文化イベント・商空間開発・都市活性化事業・地方活性化プログラム・企業ブランディング等を手掛ける。主なプロジェクトとしてパリルーブル宮装飾美術館 Kansei展、平城遷都1300年祭記念薬師寺ひかり絵巻、 GINZA SIXグランドオープニング、日本博オープニングセレモニーなど。一般社団法人 Media Ambition Tokyo代表理事。2016年CCCグループに参画。2021年 CCCマーケティング㈱ 取締役 チーフクリエイティブオフィサー(CCO)就任。
松島倫明(『WIRED』日本版 編集長 )
未来をプロトタイプするメディア『WIRED』の日本版編集長としてWebメディア/WIREDの実験区"SZメンバーシップ"/雑誌(最新号VOL.41「NEW NEIGHBORHOOD」)/WIREDカンファレンス/WIRED Sci-Fiプロトタイピング研究所/WIRED特区などを手掛ける。NHK出版学芸図書編集部編集長を経て2018年より現職。訳書に『ノヴァセン』(ジェームズ・ラヴロック)がある。東京都出身、鎌倉在住。

会津若松スーパーシティ構想への想い。
官民データ連携による市民中心のスーパーシティ構想とは。

10年かけて進めてきた地域・市民が中心となった会津若松スーパーシティ構想の考え方

中村 会津若松スーパーシティ構想を通じて、会津にいらっしゃる方々や、会津で製造業や農業、観光業をされている方々の生産性が上がっていった暁には、ずっと日本のテーマだった中小企業や地方の格差を解決することができると思っています。
これから私たちが、会津で成し遂げなければいけないことは、市民・地域が主導しながら、トップダウンの国の政策とのインタラクティブな関係を作ることです。この10年間を費やして、私たちはこの土台作りを行ってきました。
スーパーシティの申請の際に市民説明会を行い、会津若松は9割の市民のみなさんに賛成いただき国に申請しました。これは、他の地域にはあり得ないことです。できるところまで来たかなと思っています。

北村 私どもは2年前に、データ中心でどれだけ社会に貢献できるのかということ定めるために、「UNIQUE DATA, SMALL HAPPY.」というミッションを作りました。
会津若松スーパーシティ構想では、会津若松の市民のみなさまが、自分のデータが自分のためにちゃんと利活用されて、便利さや便益を直接得ることができる社会が実現されます。
このことが、私どもが会津若松のスーパーシティ構想にご一緒させていただこうと思った大きな理由です。

オプトインによって官民のデータが連携されることで生まれる市民価値

中村 私たちが会津で行ってきたことは、自分のデータを社会に役立てる「オプトイン」という考え方の浸透でした。この街で暮らしていて、この街がよくなっていくことは嬉しいことです。そのために自分のデータを使い、そして個人にパーソナライズされてフィードバックされていかない限り、個々人の行動変容は起きません。データ活用の本当の意味は、行動変容にあると思っています。

北村 CCCグループでは「生活提案」というキーワードが非常に大きなウェイトを占めてます。みなさまが行動を変えていただくためには、具体的なデータというファクトに基づいて、生活提案につながる本当に良いレコメンドを差し上げることが、一番大切なことだろうと思っています。
データで世の中を良くしていくという観点では、やはり官民データ連携は、もう必然になってきたと思います。

中村 会津では6万人ぐらいの方がTカードをご利用されていると聞いていますので、市民のみなさんがオプトインでデータ連携されると、スーパーシティ構想の実現に向けてすごくスピードが速まる気がします。

北村 加えて、官民データが連携されると、多くの企業は参画しやすくなり、新たなサービスや利便性のあるものが追加され、その結果、市民のみなさんにとってどんどん価値が増幅していく。そうなれば、本当に市民も企業も市もみんなが喜ばしい「三方両得」が実現される、そんな大きな可能性を占めてるように思います。

会津若松スーパーシティ構想で実現される未来と持続可能な社会に向けて

中村 現在、いろいろなサービスのプラットフォームを国や地域が作っていますが、そこに参画するかどうかは市民のみなさん次第です。それを国や地域は強制することはできませんが、自分が意識を変えることで、自分の子ども・孫の時代の未来を変えることができます。そのために会津若松スーパーシティ構想があり、市民のみなさんはお持ちのデータを連携いただければ、会津若松スーパーシティ構想はさらに先に進むことができます。
これからも自分のため、家族のためにオプトインによってデータを連携するという考え方を徹底し、スピードを上げて進めていったら、会津若松で日本モデルができるのではないかと思っています。

北村 この会津若松を皮切りに、本当に市民権を得たデータがオプトインによって連携され、もっと地域が良くなり、暮らしやすくなり、自分自身の健康にもつながっていく。そんなモデルができれば、日本のこれから先も、まだまだ見捨てたもんじゃないと思いますし、持続可能な成長もしていけるんではないかなと思っています。
そして会津若松でつくったスタンダードな都市OSが横展開されると、例えば引っ越しされてもサービスが持続的に受けることができる、といったような社会が実現するのではないでしょうか。

中村 そうですね。自分が生活している地域でデータが活用され、パーソナライズされながら、人の命を救うための防災システムが作られたり、観光などに活かされていき、そういうことを日本が率先していけば、アジア諸国や世界に展開できると思っています。
ぜひ一緒に日本を変えていきましょう。

北村 頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。

谷川じゅんじと松島倫明が語る
「データがつくる未来の新しい都市とは」

デジタルテクノロジーによって物理的な場所を超えてもつながりが強くなる世の中へ

谷川 『WIRED』の最新号「NEW NEIGHBORHOOD 都市の未来とネイバーフッド」はどういう特集ですか。

松島 スマートシティの動きはここ何年かずっと動いてきていますが、そこにパンデミックが起こったとき、僕らは都市の機能に何を求めるのか、都市の欲望的なものが何に変わっていくのかをまとめました。
ネイバーフッドとは、日本語では「ご近所」いったイメージだと思いますが、この特集では二つの意味を持たせました。一つは、デジタルテクノロジーによって、より人々の近隣のつながりが強くなっていくのではないか、ということと、もう一つは、物理的な場所を超えても、人と人とのつながりを持てるようになるのではないか、ということです。

谷川 なるほど。仲間とも違って、物理的なご近所さんでもなく、ライフスタイルと思想と行動が全部、何となくつながって共鳴できる人たちのことでしょうか。
最近は、ワーケーションや多拠点の生活といったように、都市部に基点を置きながらも、自然が多い所で暮らす人も増えていますね。

松島 パンデミックによって、2拠点とか分散的に暮らせるようになってきました。だからこそのネイバーフッドの大切さが、今、文明的に寄り戻しが来てるように思います。

自己肯定感の高い社会は、どのような都市にどのように作られていくのか

谷川 最近、日本がこれからどうなるんだろうということがすごく気になりだして、いろいろ調べ始めたら、単純に人口は減っていく、高齢化も進む、生産人口も減る、少子化も止まらなくなるということに改めて気づきました。そのときに、若い人たちの生活のスタイルと豊かさは、今までとは違う方向に行くのではないかなという感覚があります。
今、一部の方たちが「GDW(Gross Domestic Well-being)という言葉を使い始めています。幸せであるということを、世の中の物差しとして大事にしようよ、ということです。この話を聞いた時に、自己肯定感が高い社会っていうのは、すごくいいなって思いました。どういうふうに社会のインフラの整備を整えていけば、自分は幸せですよ、と言える自己肯定感の高い社会がつくれるのか。最近の自分の仕事の問いになってきています。

松島 とても面白い問いですね。

谷川 どういうことをやったら、幸せな人の数が増えるのか。これは多分、都市部の暮らしが好きっていう人には、そういうライフスタイルもありますし、自然の近くで生活をしたいと思う人には、そういうライフスタイルもある。
ローカルやメンバーシップといったものから、コミュニティとネイバーフッドのようなものへ、緩やかに移行していくことが想像される時に、そこをさらにサポートするのに、テクノロジーの力は、有益に作用するんじゃないかな、と思っています。

松島 おっしゃるとおりだと、僕も感じています。
これからはハードウェアとしての都市とソフトウェアとしての都市がますます分離していくのではないでしょうか。もともとのハードウェアの都市に、ソフトウェアの都市機能がどんどんアップデートされて豊かになっていく。あるいは、どんどんパーソナライズされていくことで豊かになる。
ウェルビーイングを高めるための一つの重要な指標は、どれだけの自立性を自分たちが担保できてるかということだと思います。
新しくアップデートされていく都市はネイバーフッドとすごく親和性が高く、近隣単位や街単位でネイバーフッドと一緒にアップデートすることができれば、とても面白いんじゃないでしょうか。

谷川 そうですね。ネイバーフッドやコミュニティなどは、発想がとても利他的で、自分にとっての損得を置いといて、仲間やこのコミュニティのために自分の知見をどう生かせるか、ということのほうが、結果的に関わった人の自立心が上がっていくと思いますし、自己肯定感も高まると思います。自分がみんなの役に立てた、ありがとうって言われる。それで満足、と。

まさに今こそが、テクノロジーとデータを掛けあわせ、
多くの人が幸せだと感じる社会基盤を整備するタイミング

谷川 松島さんは、今の20歳以下のZ世代に、どんなバトンを渡してあげたいと思っていますか。

松島 今の20代以下のみなさんは、多分、生きてると22世紀を見る可能性がすごく高いですよね。
ただ一方で、22世紀の暮らしを全然想像できない私たちがいます。最初は想像できてないことが、何か、人類の想像力として前に進んでないのではないか、という問いなのかなとも思いましたが、最近は、これからの未来は都市と同じくものすごく自律分散型になっていて、1つの特徴的な未来ではなく、たくさんの未来、つまり「future」の複数形「futures」があるのではないかと考えています。
22世紀になったときに若い人たち全員が、複数形の未来描いたところにちゃんと行けたなって思えていたら、それが一番いいなと思っています。

谷川 それ、すてきですね。
僕は最近、スマート社会はグローバリズムの真逆に行くんじゃないかと思っています。グローバリゼーションに対する対極の価値や定義としてのローカライズ。物理的に自分が行ったことのない土地や知らない暮らしをしてる人たちと触れ合うことで、私たちは人の暮らしの中における多様性を感じ取ることができます。実は同じようなものを好きだったり、同じものを良いと思えるような人が、自分とは全然違う所に暮らしていたり。
そういう人と、時間と空間を超えてつながっていって、何かのタイミングにひょんなことで出会えたら、それはそれで、すごく楽しいと思います。その結果、今日も生きててよかったな、明日も楽しみ。こういう暮らしをエンジョイできてる自分は幸せだなって思える人が増えていけば、22世紀も良い世界になると思います。
目に見えないものを見えるようにするために、みんなが違う形でつながっていく、あるいは、つながってるものに自分もつながっていきたい、という意思をちゃんと顕在化できるような状況を、テクノロジーやデータで有益に掛け合わせていく。その結果、幸せだねっていえる状況をつくれるように、基盤の整備をしていくべき時期に今は来ているのではないでしょうか。